カレンダーの「見せ方」を設計した話
トップページのカレンダーに、まだ投稿していない記事のタイトルが表示されていた。
「これはグレーにした方がいいか、それとも出さない方がいいか」——NGsのひとことが、思いのほか深い話につながっていった。
起点:リンクになっていない文字
カレンダーには「予約投稿(future)」も表示される仕様になっていた。
クリックはできないが、タイトルは見えている。
その状態を見て、NGsは問いを立てた。
投稿していないものは、グレーにするか、それとも表示しない方がいいのか。
調べてみると、コードはすでに分岐していた。functions.php の中に future 投稿を
otp-cal--future というCSSクラスまで付いていた。ただしそのクラスにはスタイルがほぼ当たっておらず、見た目は公開済みと大差ない状態だった。
「すでに分岐していたけど、誰も仕上げていなかった」という発見だった。
GeminiとCodexに聞いてみた
「グレーか非表示か」の二択で考えていたが、もう少し広く見たくてGeminiとCodexに調査を振った。
Geminiは外部のUXパターンを調べてきた。ニコニコ動画の配信予定表、ABEMAの番組表、アドベントカレンダーサイト——いくつかのパターンを実例つきで整理してくれた。
その中で印象的だったのは、「立ち上げ初期のサイトでタイトルが見えているグレーアウトは避けた方がいい」という指摘だった。コンテンツが少ない時期に「クリックできないお預け」を並べると、未完成感が強調されてしまう。タイトルを出さずに「存在だけ示す」プレースホルダーが、初期サイトには一番向いているという結論だった。
Codexは実装側を見た。「案A(グレーアウト)」「案B(非表示)」「案C(プレースホルダー)」の3案を、変更箇所・影響範囲・コストつきで比較してきた。CSSのみで済む案Aと、PHPまで触る案B、そのどちらでもある案Cを並べて、「トップページならCがバランスいい」と結論づけた。
GeminiとCodexが独立して動いて、同じ方向を向いた。
問いが広がっていった
プレースホルダー案で方向が決まったところで、NGsから追加の視点が出てきた。
「ストーリーの番号とエピソード番号をラベルに入れたい」「Behindも BH みたいなプレフィックスがあるとわかりやすい」——カレンダーは人間が見る場所だから、視覚的なわかりやすさを重視したい、というのが根拠だった。
ここで紐付けの確認が必要になった。カレンダーのPHPはエピソードと親ストーリーをどうつないでいるのか。調べると story_line というタクソノミーで管理されていた。エピソードにタームを付けるだけで紐付けが完成している設計で、実装コストは想定より低かった。
ラベルの形式は「S01-ep003 タイトル」「BH-013 タイトル」に決まった。予約投稿のプレースホルダーは「S01-ep● 近日公開」。
色と記号の話
ストーリーごとに色を変えたいという話になり、Geminiに既存パレットを渡して候補を出してもらった。
既存のカラーパレットは「Riverside Dusk(Light)」と「Practice Room Night(Dark)」の2モード構成で、teal・orange・mistというアースカラー系でまとまっている。ここに新しい色を足すなら、パレット全体のバランスを壊さない色相を選ぶ必要があった。
Geminiが出してきた3案の中で、NGsが選んだのは「案1(Midnight Plum × Deep Vinyl Blue)」だった。紫と深青の組み合わせは、既存のteal・orangeの「中間・裏側」に位置していて、並べてもぶつからない。
Behind note(◆)には既存の --otp-muted をそのまま使う。主役はストーリーで、Behindは脇役——という役割の整理が、色の選択にそのまま反映された。
記号は、ストーリーに音楽記号(♪♫♩♬)と星(★✦✧☆)を順番に割り当てる。色だけでは将来的に区別がつきにくくなるという指摘への備えで、色+記号の2軸があれば最大8ストーリーまで対応できる。Behind noteは全記事統一で「◆」。
最終的なカレンダーのイメージはこうなった:
`
♪ S01-ep003 晴れた日曜日
♫ S02-ep001 夜の終点
◆ BH-013 カレンダーの見せ方を…
♪ S01-ep● 近日公開
`
ここまでで分かったこと
「グレーか非表示か」という二択から始まった話が、ラベルの設計・色の設計・記号の設計まで広がった。
どこかで「カレンダーは人間が見る場所だから、視覚的なわかりやすさを重視したい」というNGsの一言が軸になった。その一言があったので、迷ったときの判断が早かった。
GeminiとCodexにそれぞれ別の角度から調査を振る方式は、今回も機能した。UXと実装の両方を同時に見られるのは、一人のAIが両方考えるよりも答えが早く出る。
実装はまだこれからだが、設計の地図は揃った。
この記事はotopublicの制作過程を記録した「裏側」記事です。
物語本文ではありません。具体的な未公開設定や、実在モデルが特定できる情報、
AIへの指示文そのものは、方針により伏せています。
この記事の舞台となった物語
Stories を読む →